【30代会社員】1年の振り返りは「反省会」にしない。書く研究から

【30代会社員】1年の振り返りは「反省会」にしない。書く研究から メンタル・ストレス

「今年も、何もできなかったな。」

12月が近づくと、そんなふうに思ってしまうことはありませんか。

手帳やメモを見返す余裕もないまま、思い出すのは、うまくいかなかったことばかり。気づけば、1年の振り返りが、ひとりきりの反省会になっている。

私にも、似たような経験があります。このブログを始めた理由を書いた記事でも触れましたが、以前、ここ数年を振り返ってみたことがありました。何をしていたんだろう。記憶に残る、楽しいことはあっただろうか。思い返しても、何も浮かんできませんでした。

1日の終わりも、「今日も何もできなかった」という気持ちで終わる日が多くありました。

少し変わったのは、週の終わりに30分の振り返りの時間をとるようになってからです。今週やったことを書き出して、うまくいったこと、うまくいかなかったことを振り返り、来週の最優先を3つ決める。それだけのことですが、その週にやったことを確かめるようになってから、「ちゃんとやれている」と思える日が、少しずつ増えてきたように感じています。手帳の上でのやり方は、「【30代会社員】2027年の手帳は「余白を書き込めるか」で選ぶ」に書きました。

年末は、その「1年版」を考えたくなる時期です。ただ、1年分となると、うまくいかなかったことのほうが先に浮かびやすいと思います。

反省会と振り返りは、何が違うのか。そう考えて、書くことについての心理学の研究を調べてみました。

この記事では、同じことをくり返し考え込む「反すう」と振り返りの違い、つらい出来事を書く研究、よかったことを書く研究、「これからの最高の自分」を書く研究を、どんな実験で何が分かったのかを中心に紹介します。そのうえで、今日からできる小さな実験を4つ書きます。後半では、紹介する研究をしてきた研究者が、一般の読者に向けて書いた本も2冊紹介します。

全部読まなくて大丈夫です。気になったところだけ、読んでもらえたらうれしいです。

  1. 反省会と振り返りは、何が違うのか
    1. 「自分を見つめる」には、2つの種類がある
    2. くり返し考えることには、役に立つ場合と、そうでない場合がある
    3. この記事での「反省会」と「振り返り」
  2. 書くことの研究で分かっていること
    1. つらい出来事を、4日続けて15分ずつ書いた実験
    2. 頭の中で考え続けるより、書いたほうがよかった
    3. よかったことを書き出す研究
    4. 「これからの最高の自分」を書く研究
  3. 研究の限界も、書いておきます
  4. 今日からできる小さな実験4つ
    1. 実験1:今年よかったことを3つ書く
    2. 実験2:反省は1つだけ選んで、15分書く
    3. 実験3:来年の「最高の自分」を書く
    4. 実験4:いちばんよかった日は、書かずに思い返す
    5. 4つの実験の早見表
  5. 振り返りを、もう少し深めたい方へ。研究者が書いた本2冊
    1. 『「感謝」の心理学』|感謝の研究者による21日間のプログラム
    2. 『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』|「考えすぎない」も入った12の習慣
    3. 2冊の早見表
  6. よくある質問
    1. Q1. 反省しないと、来年も同じ失敗をくり返しそうで不安です。
    2. Q2. つらい出来事を書いたら、かえって気分が沈みました。
    3. Q3. 本はどちらから読めばいいですか?値段も気になります。
  7. まとめ:今年の振り返りは、よかったことから
  8. 参考にした研究
    1. あわせて読みたい

反省会と振り返りは、何が違うのか

眠れない夜について書いた記事で、布団に入っても、今日の会議での自分の発言や、明日の締め切りが頭から離れない、という話を書きました。私も、そういう夜を過ごしてきたひとりです。

いま思うと、あれは振り返りというより、反省会だったのかもしれません。同じ場面を何度も思い出して、「なぜあんなことを言ったんだろう」と考え続ける。考えているのに、どこにもたどり着かない。

「自分を見つめる」には、2つの種類がある

オハイオ州立大学の研究者らによる研究(1999年)は、「自分に注意を向けやすい性格」を測る質問紙を、くわしく調べました。

この質問紙の点数が高い人は、自分のことをよく知っている一方で、気持ちのつらさも高い。そんな、ちぐはぐな結果が知られていました。

研究者たちは、この質問紙には、くり返し考え込む「反すう」と、「振り返り(内省)」という、動機の違う2つの傾向が混ざっていると報告しています。2つは互いに関係のない、別の傾向でした。そして、2つが混ざっていたことが、ちぐはぐな結果の理由かもしれない、と述べています。

同じ「自分を見つめる」でも、中身は1つではない、ということです。

くり返し考えることには、役に立つ場合と、そうでない場合がある

イギリスのエクセター大学のワトキンス(2008年)は、同じことをくり返し考えることについての研究をまとめて、役に立たない場合と、役に立つ場合の両方があると報告しました。

  • 役に立たない場合:落ち込み、不安、体の健康の問題
  • 役に立つ場合:つらい出来事からの回復、先を見越した準備や計画、落ち込みからの回復、健康によい行動を始めること

分かれ目として挙げられているのは、考える中身が前向きか後ろ向きか、どんな状況で考えるか、そして、抽象的に考えるか具体的に考えるか、の3つです。

このまとめの中では、失敗したあとに、そのことを書く実験も紹介されています。「なぜそう感じたのか」と原因や意味を考えながら書いた人は、失敗のことが頭から離れない度合いが高いほど、12時間後の気分が落ち込んでいました。「その瞬間、どう感じていたか」を具体的に書いた人には、そうした結果は見られませんでした。

「なぜ私はいつもこうなんだろう」と考えるのか。「あの会議で何が起きて、そのとき何を感じたか」を書くのか。同じ反省でも、向き合い方で中身が変わるのかもしれません。

この記事での「反省会」と「振り返り」

ここまでの話と、このあと紹介する研究をもとに、反省会と振り返りを、私なりに分けてみました。研究で使われている言葉ではなく、この記事の中での整理です。

反省会振り返り
どこで考えるか頭の中で、何度もくり返す紙に書いて、頭の外に出す
何を見るかうまくいかなかったことばかりよかったことも書き出す
どう考えるか「なぜ私はいつも」と自分を責める何があり、何を感じたかを具体的に書く
終わり方終わりがなく、布団の中まで続く時間を区切り、来年の自分を書いて終える

書くことの研究で分かっていること

つらい出来事を、4日続けて15分ずつ書いた実験

書くことの研究でよく知られているのが、アメリカの心理学者ペネベーカーら(1986年)の実験です。気持ちや出来事を書き出すこの方法は、「筆記開示」とも呼ばれます。

参加したのは、アメリカの大学生46人です。4日続けて、毎晩15分ずつ、次の4つのどれかを書きました。

  • 自分にとってつらかった出来事について、そのときの気持ちだけ
  • つらかった出来事の、事実だけ
  • つらかった出来事の、事実と気持ちの両方
  • 部屋の様子や、はいている靴など、気持ちに関係のない話題

事実と気持ちの両方を書いたグループは、書いた直後には、血圧が比較的高く、気分も落ち込みがちでした。

その一方で、その後の大学の保健センターの記録を見ると、ほかのグループでは病気による受診が増えていたのに対し、このグループでは増えていませんでした。論文の要旨では、実験後6か月の保健センターへの受診が少なかった、とまとめられています。

ただし、参加者は46人と少なく、著者たち自身も、結果は予備的なものだと書いています。

ペネベーカーさんたちの研究チームが公開している、書くことの案内ページには、次のような注意も書かれています。

  • 強い苦しさや落ち込みの中にいるときは、すすめない
  • 書いている途中で動揺したら、書くのをやめていい
  • 心理療法の代わりにはならない

その後、こうした「書いて打ち明ける」実験146件をまとめた分析(カリフォルニア大学リバーサイド校の研究者、2006年)では、効果があるという結果だった一方で、平均の効果の大きさは小さいものでした。

頭の中で考え続けるより、書いたほうがよかった

反省会と振り返りの違いに、いちばん近いのが、カリフォルニア大学リバーサイド校のリュボミアスキーら(2006年)の研究です。

最初の実験では、大学生96人が、人生でいちばんつらかった出来事について、3日続けて毎日15分、次のどれかをしました。

  • 紙に書く
  • テープレコーダーに向かって話す
  • ひとりで、頭の中で考える

4週間後、書いた人と話した人は、頭の中で考えただけの人と比べて、生活への満足度が高まり、心と体の健康も上向いていました。

興味深いのは、いちばん幸せだった出来事では、逆の結果になったことです。2つ目の実験(111人)では、生活への満足度について、書いたり話したりした人より、頭の中で思い返した人のほうがよい結果でした。

3つ目の実験(112人)では、幸せだった日について書いた人、とくに分析しながら書いた人は、その日をただ思い返した人と比べて、幸福感や体の健康が下がっていました。

つらい出来事は、書いて整理する。よかった出来事は、分析しすぎずに味わう。

反省会は、ちょうどこの逆をしているのかもしれない、と私は思いました。つらいことは頭の中でくり返し、よかったことは「たまたまだった」と片づけてしまう。

よかったことを書き出す研究

よかったことを書く研究で知られているのが、カリフォルニア大学デイビス校のエモンズら(2003年)です。

最初の実験では、大学生192人が、週に1回、10週ぶんの記録用紙に書き込みました。3つのグループに分かれ、書く内容が違います。

  • この1週間をふり返って、感謝していることを5つまで
  • 今日あった、わずらわしいことを5つまで
  • この1週間で、自分に影響のあった出来事を5つ

感謝していることを書いたグループは、ほかの2つのグループより、生活全体を前向きに評価し、次の1週間への見通しも明るいものでした。体の不調を訴えることも少なく、運動の時間は、わずらわしいことを書いたグループより、週に1.5時間近く長かったと報告されています。

ただし、この実験では、ふだんの気分(よい気分、いやな気分)そのものには、はっきりした差は見られませんでした。

もうひとつは、ペンシルベニア大学のセリグマンら(2005年)の研究です。幸福についての本のウェブサイトから参加した大人577人に、6つの課題のどれかを1週間やってもらいました。そのひとつが、毎晩「その日うまくいったこと」を3つと、その理由を書く、という課題です。

最後の調査まで答えた411人で比べると、この課題をした人は、1か月後から6か月後まで、始める前より幸福感が高く、落ち込みの症状が少ない状態が続いていました。比較のために用意した「幼いころの思い出を書く」課題では、こうした変化は続きませんでした。

この研究には、追試もあります。カナダのヨーク大学の研究チーム(2012年)が、比べ方を改良して同じ課題を確かめたところ、幸福感は長く上がりました。ただ、比較のために用意した、前向きな内容の課題でも、同じように上がっていました。落ち込みの症状では、比較の条件を上回りませんでした。研究チームは、自分についての前向きな情報に目を向けること自体が、幸福感を高めているのかもしれない、と考えています。

感謝を書く方法をまとめた分析(デイビスら、2016年)でも、別の活動をしたグループと比べると、心の健康の指標で少し上回る程度でした。効果があるとされる別の心理学的な方法と比べると、同じくらいでした。

よかったことを書くのは、魔法のような方法ではありません。それでも、反省ばかりに向きがちな目線を、自分のよかったところへ向け直すきっかけにはなる。私はそう受け止めています。

「これからの最高の自分」を書く研究

振り返りのしめくくりに使えそうなのが、アメリカの心理学者キング(2001年)の研究です。

大学生81人が、4日続けて毎日20分、次の4つのどれかを書きました。

  • 人生でいちばんつらかった出来事
  • 将来の「最高の自分」
  • その両方
  • 気持ちに関係のない話題

最高の自分を書くのは、つらい出来事を書くより気持ちが乱れにくく、3週間後には幸福感が高まっていました。5か月後には、つらい出来事、最高の自分、その両方のどれを書いたグループも、気持ちに関係のない話題を書いたグループより、病気で保健センターにかかることが少なかったと報告されています。

その後、この方法を調べた29件の研究(合わせて2,909人)をまとめた分析(スペインのバレンシア大学などの研究チーム、2019年)では、幸福感や楽観的な気持ち、よい気分を高める効果がみられました。一方で、いやな気分や落ち込みの症状への効果は小さいものでした。

この分析では、「最高の自分」は、努力を重ねた結果として、いちばんうまくいった将来の自分の姿、と説明されています。

研究の限界も、書いておきます

ここまでの研究は、アメリカの大学生を中心に行われたものが多くあります。セリグマンらの研究は大人が対象で、参加者の3分の2近くが35〜54歳でしたが、本のウェブサイトから集まった、学歴の高い人が多い集団でした。日本の30代の会社員で同じ結果になるかは、確かめられていません。

効果の大きさも、小さめから中くらいです。追試では、比較のための課題でも同じように幸福感が上がっていました。書けば変わる、と言い切れるものではありません。

もうひとつ、研究で試されたのは、毎日や毎週、数日から数週間続ける形です。1年分をまとめて年末に書く形は、私が調べた範囲では確かめられていません。このあとの実験は、研究のやり方を、年末の振り返りに当てはめてみたものです。

健康についての結果(保健センターへの受診など)は、「そういう結果が報告されている」ということで、書けば病気になりにくくなると約束するものではありません。つらい出来事を書くと、書いた直後は気分が落ち込むこともあります。

それでも、年末に「今年も何もできなかった」と思いそうになったとき、見方を変える材料にはなる。私はそう考えています。

なお、気分の落ち込みが続く、眠れない日が続くなど、心や体の不調が続くときは、ひとりで抱えずに医療機関や専門家に相談してください。

今日からできる小さな実験4つ

ここからは、研究のやり方をもとにした小さな実験を4つ書きます。どれも、研究で試された形を、年末の振り返り用に小さくしたものです。回数や期間は研究より短くしているので、研究と同じ結果になるとは限りません。全部やらなくて大丈夫です。

先に、反省会と振り返りの違いを1枚にまとめておきます。

反省会と振り返りの違い。頭の中でくり返すか、紙に書くかなど4つの比較
反省会と振り返りの違いを4つの点で比べた図

実験1:今年よかったことを3つ書く

今年あったよかったことを、3つ書きます。手帳を見返す余裕がなければ、いま思い出せるものだけで大丈夫です。大きな成果でなくてもかまいません。

それぞれに、なぜうまくいったのかを、ひとことだけ添えます。ここで分析しすぎないのがポイントです。

もとになっているのは、うまくいったこと3つとその理由を毎晩書いた研究(セリグマンら、2005年)と、感謝していることを週に1回書き出した研究(エモンズら、2003年)です。幸せだった日を分析しながら書くと、かえって幸福感が下がったという研究(リュボミアスキーら、2006年)もあるので、理由はひとことにしておきます。

夜のルーティンの記事「【30代会社員】「なんか疲れてる」が続くあなたへ。夜のルーティン3つ」では、その日よかったことを3つ、紙に書く方法を紹介しました。今回は、それを1年分に広げてみる、という試し方です。

実験2:反省は1つだけ選んで、15分書く

今年の反省が、いくつも浮かんでくるかもしれません。その中から、いちばん引っかかっている出来事を、1つだけ選びます。

タイマーを15分にセットして、何があったか(事実)と、そのとき何を感じて、いまどう感じているか(気持ち)の両方を書きます。誤字や文の形は気にしなくて大丈夫です。書いた紙をとっておくか、捨てるかも、自分で決めてかまいません。

もとになっているのは、事実と気持ちの両方を毎晩15分書いたグループで、その後の受診が増えていなかった研究(ペネベーカーら、1986年)と、つらい出来事は頭の中で考えるより、書いたほうが満足度や健康が上向いた研究(リュボミアスキーら、2006年)です。研究では3〜4日続けていたので、年末の休みに、何日か続けて書いてみる方法もあります。

書いた直後は、気分が下がることがあります。つらすぎる出来事は、選ばなくて大丈夫です。書いている途中でつらくなったら、そこでやめてかまいません。

実験3:来年の「最高の自分」を書く

振り返りの最後に、来年の自分を書きます。来年1年、自分なりにがんばって、いちばんうまくいったとしたら、来年の12月の自分はどうなっているか。仕事のこと、暮らしのこと、自分の時間のことなど、思いつくままに書いてみます。

もとになっているのは、将来の最高の自分を、4日続けて20分ずつ書いた研究(キング、2001年)です。29件の研究をまとめた分析でも、幸福感や楽観的な気持ちを高める効果がみられました。この分析では、統計的にはっきりした差ではないものの、練習の合計時間が短いほうが効果が大きい傾向もみられたとされています。まずは1回20分から試してみる方法もあります。

反省で1年を終えるのではなく、来年の自分を書いて終える。私は、この順番がいいと思っています。

実験4:いちばんよかった日は、書かずに思い返す

今年いちばんよかった日を1日選んで、書かずに、頭の中でゆっくり思い返します。どこにいて、誰といて、何をしていたか。分析はせず、そのときの場面を、そのまま思い出すだけです。

もとになっているのは、幸せだった出来事は、書いたり分析したりするより、ただ思い返したほうが、生活への満足度や幸福感がよかった研究(リュボミアスキーら、2006年)です。

実験1の「よかったことを3つ書く」は、短く書き出すだけのものです。いちばん大事な1日まで、反省会のように分析しない。それも、振り返りを反省会にしないための工夫だと思っています。

4つの実験の早見表

悩み研究で分かったことやってみること
今年も何もできなかった気がする感謝していること、うまくいったことを書いた人は、生活の評価や幸福感が高まった(エモンズら、セリグマンら)今年よかったことを3つ、理由をひとことで書く
失敗ばかりが、頭の中でくり返されるつらい出来事は、頭の中で考えるより、書いたほうが満足度や健康が上向いた(リュボミアスキーら)。事実と気持ちの両方を書いた研究も(ペネベーカーら)反省を1つだけ選び、15分書く
来年が楽しみに思えない最高の自分を書いた人は、幸福感が高まった。まとめた分析では、楽観的な気持ちにも効果がみられた(キング、ほか)来年の「最高の自分」を20分書く
よかったことも「たまたま」と片づけてしまう幸せだった出来事は、分析して書くより、ただ思い返したほうが結果がよかった(リュボミアスキーら)いちばんよかった日を、書かずに思い返す

どれから試すか迷ったら、実験1からがいいと思います。つらい出来事に向き合う必要がなく、短い時間でできるからです。

振り返りを、もう少し深めたい方へ。研究者が書いた本2冊

ここからは、この記事で紹介した研究をしてきた研究者が、一般の読者に向けて書いた本を2冊紹介します。どちらも楽天ブックスで手に入ります。

内容は、出版社や書店の紹介文、目次をもとに書いています。

『「感謝」の心理学』|感謝の研究者による21日間のプログラム

ロバート・A・エモンズさんの本で、中村浩史さんの訳で、産業能率大学出版部から出ています。エモンズさんは、実験1のもとにした、感謝していることを書き出す研究の著者です。書店に載っている著者紹介では、カリフォルニア大学デイビス校の心理学教授で、感謝の研究で知られる研究者と紹介されています。

出版社の紹介では、感謝の効果を科学的に解き明かし、研究に裏づけられた「21日間の実践プログラム」で、感謝する自分を育てることを提案する本だとされています。目次には「感謝日記を書く」「感謝への最大の障害と、その対策」「21日間の感謝チャレンジ」といった章があります。

よかったことを書く習慣を、決まった手順で始めたい方に向いていると思います。288ページの単行本です。

「感謝」の心理学 心理学者がすすめる「感謝する自分」を育む21日間プログラム

「感謝」の心理学 心理学者がすすめる「感謝する自分」を育む21日間プログラム

ロバート・A・エモンズ 著、中村浩史 訳(産業能率大学出版部)。感謝日記などを通じて「感謝する自分」を育てる、21日間のプログラムの本です。

『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』|「考えすぎない」も入った12の習慣

ソニア・リュボミアスキーさんの本で、金井真弓さんの訳で、日本実業出版社から出ています。リュボミアスキーさんは、「頭の中で考えるより、書いたほうがよかった」研究の著者です。出版社の紹介では、カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授とされています。

書店に載っている目次によると、幸福度が高まる12の行動習慣として、「感謝の気持ちを表わす」「楽観的になる」「考えすぎない、人と比較しない」などが紹介されています。行動を習慣として続けるためのコツをまとめた章もあります。

よかったことを書くだけでなく、考えすぎてしまうくせや、将来への見通しのことまで、広く知りたい方に向いていると思います。400ページある本なので、気になる章から開いてみるのもいいと思います。

新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣

新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣 「人はどうしたら幸せになるか」を科学的に研究してわかったこと

ソニア・リュボミアスキー 著、金井真弓 訳(日本実業出版社)。感謝、楽観、考えすぎないことなど、12の行動習慣を紹介する本です。

2冊の早見表

本の名前どんな本か価格(税込)こんな人に向いている
「感謝」の心理学感謝の研究者による、感謝日記などを使った21日間のプログラムの本1,980円よかったことを書く習慣を、手順どおり始めたい人
新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣感謝、楽観、考えすぎないことなど、12の行動習慣を紹介する本1,870円考えすぎるくせも含めて、幸せの研究を広く知りたい人

価格は2026年10月31日時点、楽天ブックスの表示です。どちらから読むか迷ったら、早見表の「こんな人に向いている」の列から、今の自分に近いほうを1冊だけ選んでみてください。

よくある質問

Q1. 反省しないと、来年も同じ失敗をくり返しそうで不安です。

反省をやめる必要はないと思います。実験2のように、反省を1つ選んで書くことも、振り返りの一部です。カリフォルニア大学バークレー校の研究チーム(2012年)の実験では、最近の、自分が悪かったと思う出来事を思い出したあと、自分に思いやりを向けた人のほうが、比べたグループより「つぐないたい」「くり返さないようにしたい」という気持ちが強かったと報告されています。反省は、自分を責めるためではなく、次に生かすためにするものだと、私は考えています。

Q2. つらい出来事を書いたら、かえって気分が沈みました。

研究でも、つらい出来事を書いた直後は、気分が落ち込みがちだったと報告されています(ペネベーカーら、1986年)。研究チームの案内ページでも、書いている途中で動揺したら、書くのをやめていいとされています。無理に続けず、実験1や実験4のような、よかったことに目を向ける実験に切り替える方法もあります。気分の落ち込みが続くときは、ひとりで抱えずに、医療機関や専門家に相談してください。

Q3. 本はどちらから読めばいいですか?値段も気になります。

2冊とも読まなくて大丈夫です。よかったことを書く習慣を手順どおり始めたい方は『「感謝」の心理学』、考えすぎてしまうくせも含めて広く知りたい方は『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』から開いてみるのもいいと思います。この記事を書いた時点(2026年10月31日)では、楽天ブックスでの価格は1,980円と1,870円(税込)でした。価格や在庫、届く日は変わることがあるので、購入する前に商品ページで確かめてください。

まとめ:今年の振り返りは、よかったことから

1年の振り返りを反省会にしないために、研究で分かっていることを書いてきました。

  • くり返し考え込む「反すう」と振り返りは、別のもの。くり返し考えることには、役に立つ場合とそうでない場合がある
  • つらい出来事は、頭の中でくり返すより、書いて整理する
  • よかったことも書き出す。いちばんよかった日は、分析しすぎずに味わう
  • 最後は、来年の「最高の自分」を書いて終える

全部やらなくて大丈夫です。「【30代会社員】朝の余白時間の作り方|5時起きより大事にしていること」に書いたように、私も、朝の手帳に「今日のひとこと」を書くことを、毎朝できているわけではありません。

まず1つ試すなら、今年よかったことを3つ、手帳の空いたページやメモに書いてみる。理由はひとことだけ。そのくらいの軽さで、試してもらえたらうれしいです。今年の年末は、私もこの順番で、1年を振り返ってみたいと思っています。

本を1冊だけ選ぶなら、反省会がなかなかやめられない方は、「考えすぎない」の章もある『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』から開いてみるのもいいと思います。

今年1年を、反省会だけで終わらせないように。今日のあなたに、少しでも余白が生まれますように。

参考にした研究

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  • ペネベーカーさんたちの研究チームによる書くことの案内ページ(Expressive Writing/Pandemic Project):https://exw.utpsyc.org/index.php

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