休みの日まで、予定で埋まっていませんか。
平日は仕事。週末は用事や約束。
気づけば、何もしない時間がほとんど残っていない。
私にも、そんな時期がありました。
予定は埋まっているのに、休めている気がしない。週明けには、重さだけが残っていました。
私は、温泉に浸かりながら、ぼんやり景色を眺める時間が好きです。
何かを生み出しているわけではありません。それでも、こういう時間があると、自分に戻ってこられる気がします。
何もしない時間をつくる方法のひとつに、「一人で温泉に行く」という過ごし方があります。
この記事では、一人でぼんやり過ごしたい人に向けて、宿の選び方のポイントと、首都圏から行きやすい温泉地を3か所まとめました。
料金・プラン・営業状況は変わることがあるので、予約前に最新の情報を確認してください。
なぜ、一人の温泉が「余白」になるのか
私が大事にしたいのは、温泉に行くことで生まれる「何も予定がない時間」です。
誰にも合わせなくていい
誰かと行く旅行は、楽しいものです。
ただ、起きる時間、お風呂に入る時間、食事の時間。どこかで相手に合わせる場面が出てきます。
一人なら、それがありません。
眠くなったら横になる。お風呂に入りたくなったら入る。窓の外を眺めていたければ、ずっと眺めていてもいい。
誰にも気をつかわなくていい時間は、毎日の中ではなかなかつくれないものだと思います。
予定が「移動・お風呂・食事」くらいしかない
温泉宿に1泊するとき、決まっている予定は、行き帰りの移動と、お風呂と、食事くらいです。
観光地をいくつも回らなくてもかまいません。
予定が少ないぶん、「次は何をしよう」と考える場面も減ります。
私は、毎日のスケジュールにも「予定を入れない時間」をつくるようにしています。そのことは「予定を入れない時間」をスケジュールに作ってみた話に書きました。
一人の温泉は、その時間を丸1日に広げたような過ごし方だと思っています。
家の「やらなきゃ」から離れられる
家で休もうとしても、洗濯物や片づけ、たまった用事が目に入ることがあります。
家を離れてしまえば、そうしたものは目に入らなくなります。
休むための環境を、場所ごと変えてつくる。一人の温泉には、そういう面もあると思います。
一人泊の宿を選ぶときに見たい5つのこと
一人でぼんやり過ごせるかどうかは、温泉地よりも、宿の選び方で変わる部分が大きいと思います。
予約の前に見ておきたいことを、5つにまとめました。
全部そろわなくて大丈夫です。気になるものから見てみてください。
① 一人で泊まれるプランがあるか
宿やプランによっては、2名以上からの受付になっていることがあります。
まずは、1名で予約できるかを確かめるところからです。
予約サイトで人数を「1名」にして探すと、一人で泊まれるプランを見つけやすくなります。
プラン名に「一人旅」「おひとり様」と入っているものもあります。
② 食事をどこでとるか
一人泊でいちばん気になりやすいのが、食事の場所かもしれません。
宿によって、主に次のような形があります。
- 部屋食:部屋まで食事を運んでもらう形。人目を気にせず食べられます
- 個室の食事処:部屋とは別の個室で食べる形
- 食事処・レストラン:ほかのお客さんと同じ空間で食べる形
- 素泊まり・朝食のみ:夕食は温泉街のお店などで、自分で選ぶ形
人目が気になるなら部屋食や個室、気にならないなら食事処でも問題ありません。
夕食の時間を決めたくないときは、素泊まりという選び方もあります。
③ 静かに過ごせそうか
ぼんやりしたいなら、宿の静かさも大事です。
ただ、静かかどうかは、写真や説明文だけでは分かりにくいところがあります。
手がかりにしやすいのは、客室数と口コミです。
客室数が少ない宿なら、館内ですれ違う人の数も限られます。口コミに「静か」「落ち着いて過ごせた」といった言葉があるかも、ひとつの目安になります。
大浴場でほかの人と一緒になるのが落ち着かない場合は、貸切風呂のある宿や、お風呂つきの客室を選ぶ方法もあります。
④ 平日に行けるか
休みの調整ができるなら、平日も候補に入れてみてください。
土曜日や連休は、温泉地にも宿にも人が集まりやすい日です。
宿によっては、休前日の料金が平日より高めに設定されていることもあります。
有給休暇を1日足して、日曜日から月曜日にかけて泊まる。そういう組み合わせ方もあります。
⑤ 移動時間に無理がないか
移動で疲れてしまうと、着いてからぼんやりする余裕がなくなってしまいます。
1泊なら、片道の移動が長すぎない場所のほうが、宿で過ごす時間を長くとれます。
一方で、電車やバスに揺られる時間そのものを、何もしない時間として楽しむという考え方もあります。
次の章では、東京からの移動時間の目安もあわせて紹介します。

首都圏から行きやすい温泉地3か所
ここからは、東京から行きやすい温泉地を3か所紹介します。
所要時間は、各地の観光協会や自治体が案内している目安です。乗り換えや待ち時間で変わるので、出かける前に時刻表で確かめてください。
| 温泉地 | 東京からの目安 | 特徴 | こんな人に向いている |
|---|---|---|---|
| 箱根(神奈川県) | 新宿から特急ロマンスカーで箱根湯本まで最速75分 | 大小17の温泉地が集まる「箱根十七湯」。芦ノ湖や美術館もある | 近場で、山の景色の中で過ごしたい人 |
| 熱海(静岡県) | 東京駅から新幹線こだま号で約45分 | 目の前に相模湾が広がる、海の温泉地。駅前に商店街がある | 移動をできるだけ短くしたい人、海を眺めたい人 |
| 草津(群馬県) | 上野から特急で長野原草津口まで約2時間33分、そこからバスで約25分 | 自然湧出量日本一とされる温泉地。町の中心に湯畑がある | 移動の時間も含めて、温泉街の空気を味わいたい人 |
箱根(神奈川県)
箱根は、大小17の温泉地が集まっていて、「箱根十七湯」と呼ばれています。
新宿から箱根湯本までは、小田急の特急ロマンスカーで最速75分と案内されています。
箱根湯本は交通機関が集まる箱根の玄関口で、宿泊施設や土産店が多いエリアです。
芦ノ湖のほとりの温泉は、富士山や芦ノ湖を眺めながら入浴できる場所として紹介されています。仙石原には美術館が多く、少し外に出たくなったときの行き先もあります。
都心から近く、温泉地の選択肢も多いので、初めての一人泊でも選びやすい場所だと思います。
熱海(静岡県)
熱海は、伊豆半島の付け根にある、海と山に囲まれた温泉地です。
目の前には相模湾が広がっています。
東京駅からは、東海道新幹線のこだま号で約45分と、熱海市が案内しています。
在来線の特急踊り子号なら、約1時間20分です。
熱海温泉には、500以上の源泉があるとされています。
駅前には商店街があり、飲食店や土産店が並んでいます。
移動の時間をできるだけ短くして、海を眺めながら過ごしたいときに向いている場所です。
なお、熱海市では2025年4月から、宿泊税(1人1泊200円)がかかるようになっています。
草津(群馬県)
草津は、自然湧出量が日本一とされる温泉地です(草津町の案内より)。
町の中心には「湯畑」があり、まわりには土産店や飲食店が並んでいます。
夜はライトアップされ、光と湯けむりの景色が見られると紹介されています。
上野駅から特急「草津・四万」で長野原草津口駅まで約2時間33分、そこからバスで約25分です。
東京駅や新宿駅南口(バスタ新宿)からは、草津温泉バスターミナルへ向かう高速バス「上州ゆめぐり号」もあります。
3か所の中では、移動がいちばん長めです。
そのぶん、移動の時間も含めて「遠くまで来た」と感じたい人に向いていると思います。
宿で「何もしない時間」を過ごすためのヒント
宿に着いてからの過ごし方も、少しだけ書いておきます。
どれも一般的な工夫です。全部やらなくて大丈夫です。
スマホは、かばんの中に置いておく
せっかく一人になっても、スマホを開くと、いつもの通知や情報が入ってきます。
ずっと電源を切らなくてもかまいません。
お風呂に行くときや、窓の外を眺めるときだけ、かばんにしまっておく。それだけでも、目に入る情報は減ります。
私は以前、週末だけSNSを見ないことを試しました。最初の週末は、ほとんどできませんでした。それくらい、習慣で開いてしまうものなのだと思います。
そのときのことは週末だけSNSをやめてみた話に書いています。
本は1冊だけ持っていく
何もしないのが落ち着かないときのために、本を1冊だけ持っていく方法もあります。
何冊も持っていくと、「読まなければ」という気持ちが出てきてしまいます。
読んでも読まなくてもいい1冊くらいが、ちょうどいいと思います。
私も、コーヒーを飲みながら本を読む時間が好きです。
本なら、通知が届くこともありません。
予定は決めない。決めるなら、ひとつだけ
「せっかく来たのだから」と、観光の予定を詰め込みたくなるかもしれません。
ただ、この記事で書いている一人の温泉は、何もしない時間をつくるためのものです。
予定がないと落ち着かないなら、「湯畑を見に行く」「海沿いを少し歩く」のように、ひとつだけ決めておく方法があります。
「これだけやればいい」をひとつ決めておく考え方は、何もしない土曜日を罪悪感なく過ごす話でも書きました。
なお、飲酒のあとの入浴や長湯は避け、入浴の前後には水分をとるようにしてください(環境省の温泉利用の手引きでも、飲酒後の入浴は控えるよう書かれています)。
よくある質問
Q1. 一人で温泉宿に泊まるのは、気まずくありませんか?
楽天トラベルにも温泉の一人旅向けの特集があるように、一人で泊まれる宿は探せば見つかります。
食事の時間の人目が気になるなら、部屋食や個室の食事処を選ぶと、ほかのお客さんと顔を合わせる場面を減らせます。最初は、自分が落ち着けそうな形を選べば十分だと思います。
Q2. 一人だと、料金は高くなりますか?
プランによっては、1名で泊まると、2名で泊まるときより1人あたりの料金が高めに設定されていることがあります。
平日を選ぶ、素泊まりや朝食のみのプランにするなど、組み合わせで調整する方法もあります。温泉地によっては宿泊料金とは別に税金がかかることもあるので、予約画面で合計の金額を確かめてください。
Q3. 1泊だけでも、ゆっくりできますか?
移動時間の短い温泉地を選べば、1泊でも宿で過ごす時間を長めにとれます。
チェックインの時間が早めの宿や、チェックアウトが遅めのプランを選ぶ方法もあります。まず1泊してみて、物足りなければ次は2泊にする。それくらいの軽さで始めていいと思います。
まとめ:まずは1泊、何もしない時間をつくりに
一人でぼんやりできる温泉を選ぶときに見たいことを、改めてまとめます。
- 一人で泊まれるプランがあるか
- 食事をどこでとるか(部屋食・個室・食事処・素泊まり)
- 静かに過ごせそうか(客室数・口コミ)
- 平日に行けるか
- 移動時間に無理がないか(箱根・熱海は近め、草津は少し遠め)
全部そろった宿を探さなくても大丈夫です。
いちばん気になるところをひとつ決めて、そこから選んでみてください。
休みの日を予定で埋めるのではなく、何もしない時間のために使う。
最初は、1泊だけで十分だと思います。
温泉地をまだ決めていないなら、楽天トラベルの「温泉一人旅」の特集から、一人で泊まれる宿を探す方法もあります。
今日のあなたに、少しでも余白が生まれますように。


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